日本は世界からみても早漏の人が多いといわれています。早漏には治療薬が存在して多くの種類が製造・販売されています。その中でも早漏治療薬として有名なのは《プリリジー》です。プリリジーについて細かく詳細をお伝えします。

目次

日本人の平均挿入時間は7分程度、女性が求める平均挿入時間は10分とも15分以上とも言われています。
こういった数字を出されると不安になる人は少なくないでしょう。実際、日本人男性の10人に1人が早漏で悩んでいると言います。
年齢に関係なく早漏に悩む男性はとても多いのです。自分は早漏かもしれないと不安に感じている人も含めればもっとずっと多くの男性がこの問題で悩んでいることでしょう。

しかし心配ありません。早漏の治療薬があるからです。比較的簡単に手に入り、値段も適当、そして副作用もほとんどありません。
その治療薬の名前はプリリジー。早漏男性の強い味方です。薬の名前くらいは聞いたことがある人も少なくないでしょう。
それではこれからこのプリリジーについて効果や成分、適切な服用の仕方などを解説していきます。

プリリジーの効果とその成分

プリリジーについて説明する女性医師ベルギーのヤンセンファーマが2009年に開発したプリリジーは世界初の飲み薬タイプの早漏改善薬です。
ヤンセンファーマ(Janssen Pharmaceutica)は有名な国際企業ジョンソン・エンド・ジョンソングループの一員です。
プリリジーの開発元はヤンセンファーマですが、現在販売を行っているのはイタリア・ナポリにあるメナリーニ(Menarini)という製薬会社です。

日本では未認可の医薬品であるプリリジーですが、海外ではよく知られた薬です。
ドイツ・イタリア・スペイン・ポルトガル・スウェーデン・フィンランド・ニュージーランド・韓国など60カ国以上で認可されており、30カ国以上で販売されています。
数百万を超える利用実績があるため、安全も確認されています。

プリリジーの有効成分はダポキセチンという物質です。ダポキセチンは脳の中のセロトニン減少を抑えます。
セロトニンは通称「幸せホルモン」と呼ばれるホルモンですが、このホルモンが増えることで興奮が抑えられるのです。
興奮をコントロールできないことから早漏になります。
ダポキセチンはセロトニンを増やして過剰な興奮状態を静めることによって早漏にならないようにするのです。

射精には交感神経と副交感神経が関係しています。射精するとき、それまで優位に働いていた副交感神経に代わって交感神経が働きます。
早漏とはこの神経の交代が上手にコントロールできない状態を言います。
プリリジーの成分であるダポキセチンの効果で分泌されるセロトニンはノルアドレナリンというホルモンの働きを抑えます。
ノルアドレナリンは交感神経の働きを活発にさせるホルモンですので、ノルアドレナリンの働きが弱まると興奮が抑えられ、射精に至るまでの時間が長くなります。

プリリジーの効果がどの程度のものかについては海外に臨床試験データがあります。
それによると24週間性行為のたびにプリリジーを使った場合、持続時間は約4倍になったとのことです。
改善率は6-7割でした。

薬の効果は服用時から1時間後くらいに現れます。
そしてその効果がなくなるのは効果が現れてからだいたい5-6時間後と言われています。
ダポキセチンは24時間後にはほとんど体外に排出されるので効果は完全になくなります。
このようにプリリジーは早漏を根治する薬というよりは、1回1回の性行為の早漏を予防する薬と言えます。

プリリジーの副作用

プリリジーにはダポキセチンの量が30mgのものと60mgのものがあります。
臨床試験データはダポキセチンの量が多いほど早漏改善効果が高いことを示しています。
しかしダポキセチン成分が多いほど副作用も強く現れます。

頭痛副作用としては次のような報告が上がっています。頭痛・めまい・嘔吐・下痢などです。立ちくらみを起こすこともまれにあるようです。
副作用が現れる確率は10%未満であり、ほとんど心配する必要はありませんが、たびたび立ちくらみや失神を経験している人は使用を控えるべきです。

なお1日で摂取できるプリリジーの用量は60mgです。
最初に30mgを摂取して効果が薄いと感じたときは、さらに30mg追加で服用することが可能です。

もともとは鬱病の治療にも使われていた?

鬱になっている男性プリリジーはもともと鬱病の薬として開発されたものです。
よく知られているように鬱病は脳内の神経伝達物質の減少と関係があります。
抗うつ剤とは脳内のセロトニンやノルアドレナリンが減少しないようにする薬です。
プリリジーも薬のタイプとしては抗うつ剤と同じタイプなのです。

なんでも気分障害の臨床試験をしている最中にプリリジー使用者の射精に至るまでの時間が延長されていくことが分かり、早漏治療薬になったとのことです。
性器に直接塗ったり吹きかけたりするものではなく、飲むタイプの早漏治療薬としては世界で最初の発明です。

鬱病の治療薬にはいろいろな種類があります。
プリリジーはそのうちSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)とよばれるタイプの鬱病治療薬と同じタイプの薬になります。
これは脳内で余ったセロトニンが神経細胞に吸収されるのを防ぐことによってセロトニンの全体量を増やす薬のことです。
日本では抗うつ剤としてよくしられるパキシルはこのSSRIに分類される薬です。
SSRIは鬱病治療の薬として、日本国内だけで100万人以上が使用している計算になります。

SSRIはセロトニンの量を増やす薬ですが、セロトニンとノルアドレナリンを増やす働きをする薬はSNRIと呼ばれます。
ノルアドレナリンの減少はやる気の低下と関係していると考えられているため、無気力な患者にはSSRIではなくSNRIを投与されることが多くなります。

SSRIは多くの精神疾患に処方されます。

  • 鬱病
  • 不安障害
  • 強迫性障害
  • 双極性障害(いわゆる「躁鬱病」)
  • 摂食障害
  • パーソナリティ障害

とくに鬱病や不安障害などセロトニンが関係していると思われる精神疾患によく処方される薬です。

本来抗うつ剤であるSSRIが本当の効果を発揮するまでには多少時間がかかります。
プリリジーは1回1回の使用でももちろん効果はあるのですが、使い続けるとしだいに持続時間が延びていくのです。
さきほどプリリジーは24週間使用し続けた場合の早漏改善効果について解説しましたが、初めてプリリジーを使った場合は持続時間がそれほど長くならないこともあります。
何度も使用していくとだんだんとその効果がはっきりと現れてくる性質の薬なのです。

言い換えればプリリジーは何度も使用しているとしだいに効きやすくなり効果が発揮される薬だということです。
1回使用しただけであまり効果がないと決めつけてはいけません。しばらく性交のたびに使い続けるのが正しい使用法です。
そうするとはっきりとした効果を感じることができるようになります。

SSRIの副作用が現れるのは投与初期と言われています。
プリリジーもSSRIなので、服用して副作用が現れても、それは飲み始めの最初のころだけで済むでしょう。
何回も服用しているうちに副作用は現れなくなる確率が高いです。服用ごとに副作用が現れる場合は医者に相談することが必要です。

プリリジーは海外製なので日本人に合った用量で服用

プリリジーはその主成分であるダポキセチンの量が30mgのものと60mgのものがあります。
研究によれば、ダポキセチンの量が多いほうが効く薬です。
しかし日本の治療機関はプリリジーを処方する際、まずは30mgのものを選びます。そのほうが安全だからです。

プリリジーは日本のクリニックで処方はしますが、厚生労働省が承認した医薬品ではありません。
それはすなわち日本人を対象として臨床試験データがないということを意味します。
一般的な日本人にどのような作用をもたらすか科学的なデータがないため、より安全と言える30mgのプリリジーを処方するのです。

プリリジーを開発したヤンセンファーマはベルギーの会社です。臨床試験に参加した人も現地の人たちです。
ヨーロッパの人たちは日本人とは体格も体質も異なります。
ドイツ・オランダ・ベルギーあたりといえば、男性の平均身長が180cmに近い人たちです。
また食生活も違えば掛かりやすい病気も大きく異なります。
そういった点を考慮すると海外のデータがそのまま日本人に当てはまるとは限らないと考えるのもうなずけます。

実際のところ、プリリジーに含まれるダポキセチンの量はわたしたち日本人には少し多すぎるのかもしれません。
とくに初めて使用する場合は30mgでも多すぎるのかもしれません。
クリニックでも最初は半分の用量で試してみることを勧めることも多いようです。

各種のレビューやコメントで実際にプリリジーを使用した人の感想などを見ても、ダポキセチン30mg半分で十分だという声が多くあります。
やはり海外の人に比べて日本人はひと回り小さく、プリリジーにも日本人に合った用量があるのかもしれません。

プリリジーはピルカッターで錠剤をカットする

プリリジーを半分にするにはピルカッターが必要になりますが、ピルカッターを用いればプリリジーは簡単に半分にカットできます。
またピルカッターがあると便利な上に経済的です。プリリジー60mgの値段は30mgのもののおよそ1.5倍です。
1回の用量は30mgで十分な人でもあえて60mgのものを処方してもらって、自分で半分にすれば25%の節約になります。
もしそれでも多ければ更に半分の四分の一にします。
プリリジーの錠剤の大きさであれば、四分の一にカットするのは難しくありません。
このように自分でピルカッターを使ってカットして少しでも財布の負担を軽くしましょう。

ピルカッターはドラッグストアや100均のお店で見つけることができます。
使い方は簡単です。フタを開けて錠剤を入れて固定し、刃がついたフタを閉めれば錠剤はカットされています。
錠剤と刃の状態によっては少し切り口が欠けて粉末になって落ちてしまうこともありますが、慣れてくればだんだんその錠剤はどう切ったらいいかも分かってきます。
海外から医薬品を取り寄せる場合や、薬の用量を調節したい場合はとても役に立つ道具です。

プリリジーを作っている会社の他の製品

プリリジーを作っているヤンセンファーマは1953年にベルギーのポール・ヤンセンによって設立され、1961年にジョンソンエンドジョンソン傘下に入り、その医薬品部門となりました。
世界150カ国以上で活動している国際企業です。日本にも日本法人を設立しています。
当初から新薬開発に力を入れている製薬会社で、精神疾患・がん・HIV/AIDS関係の新薬を開発してきました。

ヤンセンファーマが開発した新薬でよく知られているものにリスパダールがあります。
リスペドンという物質の商品名がリスパダールなのですが、リスペドンはセロトニンに働きかけ神経の高ぶりを抑える働きがあります。
そのため日本でも統合失調症に用いる治療薬として承認されています。強い不安感や睡眠障害にも処方されることがある医薬品です。

またSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)タイプの抗うつ剤ミルナシプランを開発し、トレドミンという商品名で発売しています。
これは脳内のセロトニンとノルアドレナリンが脳神経に吸収されるのを防止することで脳内のセロトニンとノルアドレナリンの量を増やす薬です。
セロトニンが不足すると不安感に包まれ、ノルアドレナリンが足りないと意欲が低下すると考えられています。
このような症状の精神疾患に投与される薬です。

全身麻酔用の鎮痛剤レミフェンタニルもヤンセンファーマの開発によるものです。
これは超短時間型の合成麻薬製剤です。麻薬としての力はモルヒネの2100倍になるとのことです。
この鎮痛剤が効き始めるまでに1分、薬の消失までに5-10分です。手術中に痛みが現れたような場合、レミフェンタミルでその痛みをコントロールすることが可能になります。

抗がん剤のイブルチニブもヤンセンファーマが開発したものです。商品名はイムブルビカです。
おもに多発性骨髄腫の治療などに用いられます。

ドキシルはリポソーマルドキソルビシンという抗生物質の商品名です。
静脈注射によって投与される抗がん剤です。
この薬はもともとAIDSのカポジ肉腫治療薬として承認されたものでしたが、その後再発した卵巣がんの治療薬としても承認されました。
従来の抗がん剤と比べて脱毛などの副作用が少ないことが特徴です。

抗HIV薬であるプリジスタはヒト免疫不全ウイルスの増殖を抑制することで病気の進行を遅らせる薬です。
他の抗HIV薬と併用することでより効果を発揮します。

回虫などの寄生虫に起因する病気の治療にはメベンダゾールが使われます。
これもヤンセンファーマの開発した薬です。最近の研究では抗がん作用があることが分かってきています。
今後のさらなら研究の積み重ねが望まれるところです。

このようにヤンセンファーマはいろいろな薬品を開発・発売してきましたが、このような製品群を見渡せばプリリジーが狙って開発されたものでないことが分かります。
抗うつ剤として開発されたけれどもたまたま早漏に効果があることが発見されたダポキセチン。とてもおもしろい偶然の産物だったのです。

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